すぐに相手に届いてしまうこと、相手からすぐに返事が来てしまうことは、せっかく日常を離れて遠くに旅してきている新鮮な気分を、損ねてしまうような気がするのです。

旅先で体験したことを誰かに伝えたい、共有したい気持ちと、いまは日常に邪魔されたくないという気持ち、矛盾しているようですが同時にそんな思いがあります。

ですから、届くまでに日数がかかり、相手の反応もずっと後になるであろう手紙やハガキが、旅先での気分に合うのです。

ある意味では一方的な伝達手段かもしれません。

しかし、相手にとっても、すぐに反応しなければいけないメールより、ふだんとは違うツールでやってきたハガキや手紙のほうが、旅先からの贈り物をひとりで味わう余裕があるとも言えるのではないでしょうか。

反応としては、「旅先からのハガキをどうもありがとう」だけでも良いわけです。

内容に触れなくても、受け取って嬉しかったことだけを伝えれば十分です。

そのように、物理的にも時間的にも、おそらく心理的にも、ワンクッション置いたコミュニケーションツールとして、郵便は有効です。

旅先での限定記念切手などを貼って送ることができるのも、郵便ならではの味わいを出すことができます。

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